第36回前立腺シンポジウム(2021年)
第36回前立腺シンポジウム
第36回前立腺シンポジウムは、初めてのLIVE配信で開催いたしました。第1日目の2021年10月16日(土)に「オープニングセミナー」と、「基礎部門」として公募による口演発表、指定演題の発表と、ワークショップ、教育セミナー1を行いました。第2日目の17日(日)には「臨床部門」として教育セミナー2および「転移性・去勢抵抗性前立腺癌」をテーマに、ワークショップ、公募による口演発表を行いました。
第1日目の「オープニングセミナー」では、九州大学大学院医学研究院泌尿器科学分野の塩田真己先生から「アンドロゲン受容体と前立腺癌の温故知新」というタイトルでご講演いただきました。「基礎部門」では、前立腺がんに関連する基礎研究の公募演題7題と、当財団の研究助成受賞演題6題の発表があり、ワークショップでは「前立腺癌におけるアンドロゲン受容体研究の最前線」と題し、4名の指定演者により講演が行われました。また、教育セミナー1では、埼玉医科大学国際医療センター泌尿器腫瘍科の西本紘嗣郎先生から「副腎におけるステロイドホルモン産生に関する研究」というタイトルでご講演いただきました。 各講演後には、多くの質問があり、活発な意見交換が行われました。
第2日目の「臨床部門」では、教育セミナー2において、東邦大学医療センター佐倉病院泌尿器科の鈴木啓悦先生から、「前立腺癌に対するゲノム医療の幕開け:PARP阻害剤を中心に」というタイトルで、ご講演いただきました。今回の臨床部門のテーマは「転移性・去勢抵抗性前立腺癌」でした。また、ワークショップとして「プレシジョンメディシンを目指した前立腺癌診療~生検、臨床病理、遺伝子検査、リキッドバイオプシー~」 と題し、5人のエキスパートによる講演が行われ、活発な討論が行われました。公募による発表では、「診断・臨床的検討①、②」、「化学療法・放射線療法①、②」、「新規ARATを含むホルモン療法①、②」など、26演題の研究発表がありました。
2日間にわたって開催された今シンポジウムには、延べ300名近い方々にご参加いただきました。初めての完全LIVE配信の状況下において、全国の泌尿器科医、放射線科医、腫瘍内科医、病理医および基礎研究者を中心に、前立腺がんの「基礎部門」、「臨床部門」それぞれの研究に携わっておられる医師・研究者が、活発な討論を通じて最新の基礎、臨床の意見交換、討論ができましたことは、明日からの前立腺がんの診療レベルの向上に直結すると考えられ、極めて意義深いシンポジウムとなりました。
テーマ | 【臨床部門】 「転移性・去勢抵抗性前立腺癌」 |
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日程 | 第1日目 【オープニングセミナー】:2021年10月16日(土) 12:00~13:00 【基礎部門】:2021年10月16日(土) 13:00~18:45 第2日目【臨床部門】:2021年10月17日(日) 8:55~15:55 |
場所 | 東京コンファレンスセンター・品川 (東京都港区港南1-9-36 アレア品川 4階) |
次第 | 第1日目 【オープニングセミナー】 「アンドロゲン受容体と前立腺癌の温故知新」 塩田 真己 (九州大学大学院医学研究院泌尿器科学分野) 【基礎部門】 ① 公募演題(口演) ② 指定演題 研究助成受賞課題(口演) ③ ワークショップ「前立腺癌におけるアンドロゲン受容体研究の最前線」 ■司会 塩田 真己 (九州大学大学院医学研究院泌尿器科学分野) ■演者 赤松 秀輔(京都大学大学院医学研究科泌尿器科学講座) 泉 浩二(金沢大学大学院医学系研究科集学的治療学 (泌尿器科) 川村 憲彦(大阪国際がんセンター泌尿器科) 大日方 大亮(日本大学医学部泌尿器科学系泌尿器科学分野) ④ 教育セミナー 1 「副腎におけるステロイドホルモン産生に関する研究」 西本 紘嗣郎(埼玉医科大学国際医療センター泌尿器腫瘍科) 第2日目 【臨床部門】 テーマ 「転移性・去勢抵抗性前立腺癌」 ①ワークショップ 「プレシジョンメディシンを目指した前立腺癌治療 ~生検、臨床病理、遺伝子検査、リキッドバイオプシー~」 ■司会 酒井 英樹 (長崎大学大学院医歯薬学総合研究科泌尿器科学) 久米 春喜 (東京大学大学院医学研究科泌尿器科学) ■演者 関根 芳岳(群馬大学大学院医学系研究科泌尿器科学) 都築 豊徳(愛知医科大学病院病理診断科) 赤倉 功一郎(独立行政法人地域医療機能推進機構 (JCHO)東京新宿メディカルセンター泌尿器科) 市川 智彦 (千葉大学大学院医学研究院泌尿器科学) 大家 基嗣 (慶應義塾大学医学部泌尿器科学教室) ②公募 演題口演セッション 1 「診断・臨床的検討①」 2 「診断・臨床的検討②」 3 「化学療法・放射線療法①」 4 「化学療法・放射線療法②」 5 「新規ARATを含むホルモン療法①」 6 「新規ARATを含むホルモン療法②」 ③教育セミナー2 「前立腺癌に対するゲノム医療の幕開け:PARP阻害剤を中心に」 鈴木啓悦(東邦大学医療センター佐倉病院泌尿器科 |
臨床部門のテーマ設定の背景
今回のシンポジウムでは、転移性・去勢抵抗性前立腺癌を主題にしました。前立腺癌の転移症例、去勢抵抗性前立腺癌への進展症例の適切なマネージメントは、予後に直結するため非常に重要です。最近、新規アンドロゲン受容体標的薬、抗癌剤、PARP阻害薬、Ra-223など治療オプションが増え、さらには新規アンドロゲン受容体標的薬がホルモン感受性転移症例にも使用可能となりました。しかし既存治療薬と新規治療薬を、実臨床でどのような順番で、何を優先して使用すべきかについて、最適なオーダーメイド治療戦略は確立されていません。そのため、本シンポジウムで、転移性・去勢抵抗性前立腺癌治療において、多くの症例経験を有している、第一線の臨床医・研究者が一同に会し、活発な意見交換の場を提供することは極めて医学的に重要と考え、テーマを設定しました。
プログラムをご覧になる場合
第36回前立腺シンポジウム運営委員会事務局
〒105-0021 東京都港区東新橋2-9-3 ラ ピアッツォーラ601
TEL:03-6435-9777
FAX:03-6435-9778
e-mail:office@jfpr.or.jp
運営委員長
鈴木和浩 (臨床部門・代表 群馬大学大学院)
運営委員(臨床部門)
塚本泰司 (札幌医科大学・学長)
内藤誠二 ((医)原三信病院・名誉院長)
市川智彦 (千葉大学大学院)
大家基嗣 (慶應義塾大学)
久米春喜 (東京大学大学院)
溝脇尚志 (京都大学大学院)
運営委員(基礎部門)
髙橋 智 (基礎部門・代表 名古屋市立大学大学院)
鈴木和浩 (群馬大学大学院)
内藤誠二 ((医)原三信病院・名誉院長)
市川智彦 (千葉大学大学院)
赤座英之 (筑波大学名誉教授)
渡邉昌俊 (三重大学大学院)
酒井英樹 (長崎大学大学院)
宮城洋平 (神奈川県立がんセンター臨床研究所)
主催:第36回前立腺シンポジウム運営委員会、公益財団法人前立腺研究財団
後援:厚生労働省、公益社団法人日本医師会、一般社団法人日本泌尿器科学会