前立腺シンポジウム
第26回前立腺シンポジウム内容
第26回前立腺シンポジウム
第26回前立腺シンポジウムは、第1日目の11日(土)に「基礎部門」として指定演題の発表と教育セミナー1を行い、第2日目の12日(日)には「臨床部門」として教育セミナー2および「前立腺がんの転移―最新の治療戦略―」をテーマに、パネルディスカッション、公募による口演とポスター発表・討論を行いました。
第1日目の「基礎部門」では、前立腺がんに関連する基礎研究の指定演題11題と、当財団の研究助成受賞演題2題の発表がありました。前立腺がんの増殖・細胞死のメカニズム、1次予防、去勢抵抗性がんへ進展機序、分子標的治療の可能性などについて、最先端の基礎研究の発表があり、活発に討論が行われました。また、教育セミナー1では、東京大学大学院/埼玉医科大学ゲノム医学研究センターの井上 聡先生から「ホルモン依存性がんにおける性ホルモンの作用機構」についてご講演いただきました。最新の知見と将来性についてわかりやすくお話しいただき、その後、活発な意見交換が行われました。
第2日目の「臨床部門」では、教育セミナー2において、ブリティッシュコロンビア大学のマーチン・グリーブ教授より、去勢抵抗性がんの新しい治療戦略についてのご講演があり、最新知見、現在進行中の臨床試験の紹介とともに、将来の方向性について、非常に貴重なお話を聞くことができました。また、今回の臨床部門の主テーマは「前立腺がんの転移―最新の治療戦略―」であり、日常診療で非常に苦労することの多い、前立腺がんの転移のマネージメントについて集中的に発表と討論を行う、極めて貴重なシンポジウムでありました。パネルディスカッションは「前立腺がんの骨転移に対する治療―update」と題し、最先端の医療に携わっている泌尿器科医、放射線腫瘍医、腫瘍内科医、緩和医療専門医から指名されたパネリスト7人により、骨転移に対する内分泌療法、抗癌剤治療、ビスホスフォネート、放射線治療、緩和治療に関する講演と討論が行われました。また、一般演題においては、全国から、多くの専門医療機関より、さまざまな前立腺がんの転移に対する診断・治療を中心に42演題の発表がありました。
2日間にわたって開催された今シンポジウムには、392名の方々にご参加いただきました。全国の泌尿器科臨床医、前立腺がん治療に関わっている関連診療科の医師が一同に会し、討論を通じて意見交換ができたことは、明日からの診療レベル向上に直結すると考えられ、極めて重要なシンポジウムとなりました。
テーマ | 【臨床部門】 「前立腺がんの転移―最新の治療戦略―」 |
日程 | 第1日目【基礎部門】:平成22年12月11日(土) 12:55~18:40 第2日目【臨床部門】:平成22年12月12日(日) 8:55~16:30 |
場所 | 東京コンファレンスセンター・品川 (東京都港区港南1-9-36) |
次第 | 第1日目:【基礎部門】 ①指定演題(口演)
「ホルモン依存性がんにおける性ホルモンの作用機構」 第2日目:【臨床部門】 テーマ 「前立腺がんの転移―最新の治療戦略―」 ①パネルディスカッション 「前立腺がんの骨転移に対する治療―update」
口演セッション
「Castrate Resistant Prostate Cancer: New Therapeutic Approaches」 |
臨床部門のテーマ設定の背景
今回のシンポジウムでは、前立腺がん治療のなかでも、日常診療において、専門医がそのマネージメントに苦労し、世界でいくつかの重要な最新知見が発表され、現在も様々な臨床試験が進行中である、転移がんの治療を主題にいたしました。
日本の前立腺がん診療に関わっている泌尿器科臨床医と関連診療科の医師が、じっくり討論する機会を設けることは、日本の前立腺がんに対する治療レベル向上に欠かせず、臨床の場における貢献度は極めて大きいと考え、テーマを設定しました。