前立腺シンポジウム

第22回前立腺シンポジウム(2006年)

第22回前立腺シンポジウム

第22回前立腺シンポジウムでは、「前立腺がん生検病理診断と治療選択」と題し、前立腺がん診断において、治療方針決定に、また前立腺がん治療後の予後予測因子としても最も重要な役割を担う病理診断のなかでも、前立腺生検のグリーソンスコアを中心に、関連する発表および討論が行われました。泌尿器科、病理学の分野で最先端の研究・医療に携わっておられる方々が一堂に会し、治療方針決定の際に最も重要な病理診断についてご討論いただくことは、前立腺がんの病理診断の進歩にとって非常に重要であり、多くの泌尿器科学と病理学に携わっておられる方々にご参加いただき、活発なご意見を頂戴いたしました。
「前立腺がんの病理診断を巡って」と題したシンポジウムでは、前立腺生検における病理所見の臨床的な意義、2005年に米国で行われたグリーソングレーディングシステムのコンセンサス会議の内容の紹介とともに、その問題点と課題について討論され、また、前立腺がんの分子病理学の将来の方向性について、最新の研究結果が紹介されました。一般演題には47演題の応募が寄せられ、臨床に直結した発表が多く、前立腺がん診療の質の向上に大きく寄与するものでした。
当日は、昨年を上回る375名の方々にご参加いただきました。前立腺がんの治療方針決定等、病理医と泌尿器科医の討議・意見交換の場は重要であり、他の学会ではなかなか得られない貴重な交流の場であることから、このような機会を是非とも継続して持ちたいとのご要望も参加者から寄せられ、関心の高さを感じるシンポジウムとなりました。



テーマ 「前立腺がんの生検病理診断と治療選択」
日程 2006年12月3日(日) 8:25~17:20
場所 都市センターホテル(東京都千代田区平河町)
次第 ①シンポジウム
「前立腺がんの病理診断を巡って」
■司会
原田 昌興(神奈川県立がんセンター)
村井   勝(慶應義塾大学)
■シンポジスト
都築 豊徳(名古屋第二赤十字病院)
鷹橋 浩幸(東京慈恵会医科大学附属第三病院)
白石 泰三(三重大学医学研究科、同附属病院)
小西   登(奈良県立医科大学)
宮城 洋平(神奈川県立がんセンター)

②一般演題
口演セッション
1 「前立腺生検方法と病理所見」
2 「前立腺組織診断」
3 「Gleason 分類のコンセンサス・問題点」
4 「前立腺生検と手術標本の病理所見比較」
5 「前立腺生検診断と治療」

ポスター討論
1 「前立腺生検方法と病理所見」
2 「Gleason 分類のコンセンサス・問題点」
3 「前立腺生検と手術標本の病理所見比較」
4 「前立腺組織診断」
5 「前立腺生検診断と治療」

テーマ設定の背景

前立腺がんの生検病理診断は、良性・悪性の診断とともに、悪性であった場合その組織学的異型度、グレードの判定がなされるが、その中でも前立腺がんのみに適用され、かつ最も重要な世界基準の評価方法であるグリーソンスコアについて、最新の情報を共有することは、わが国における前立腺がん診療の質の向上に欠かせません。今回、グリーソンスコアの世界標準化をめざして2005年に米国で行われたコンセンサスカンファレンスの内容、問題点等を、病理学者だけではなく、実際に診療にあたる泌尿器科医を交えて討論する場が必要との医学的背景から、また、現在わが国において急激に増加している前立腺がんの病理に関連する最新情報を臨床医が共有することが急務と考え、「前立腺がんの生検病理診断と治療選択」をテーマに設定いたしました。