前立腺シンポジウム

第18回前立腺シンポジウム(2003年)

第18回前立腺シンポジウム

前立腺検診協議会、前立腺がん撲滅推進委員会の各委員および前立腺がん検診研究事業地区代表研究医師等の泌尿器科関係者の参加をお願いし、当シンポジウムの討論が今後の疫学研究、検診活動へのより質の高いステップとなることを期待して、下記のとおり開催しました。



テーマ 「個人情報と疫学研究」-前立腺がん検診の新たな展開のために-
日程 2003年3月15日(土)
場所 都市センターホテル(東京)
次第 ①教育講演1
「疫学研究と倫理指針」
 稲葉 裕 (順天堂大学医学部衛生学教授)

②教育講演2
「がん検診と個人情報保護」
 陶山 昭彦 (放射線影響研究所長崎疫学部部長)

③パネルディスカッション
「前立腺がん検診における個人情報保護とインフォームド・コンセント」
 酒井 英樹 (長崎大学医学部泌尿器科学講師)
 三原 修一 (日赤熊本健康管理センター副所長)
 山本 巧 (群馬大学医学部泌尿器科学助手)
 古賀 寛史 (九州大学大学院医学研究院泌尿器科学講師)

テーマ設定の背景

2002年、「疫学研究に関する倫理指針」が文部科学省・厚生労働省より出され、また、住民基本台帳ネットワークの問題がマスコミ等で取り上げられるなど、個人情報保護が一般市民レベルでも唱えられるようになりました。
しかし、がん登録やがん検診などの実際の臨床の場では、どこまでを個人情報として扱い、個人情報保護の見地からどこまでを対象者に同意を得る必要があるのか、戸惑うことが多いのが現状ではないかと思います。
また、アメリカやヨーロッパではPSA測定を中心とした前立腺がんスクリーニングにおいて、スクリーニングを受けることによる利益・不利益を受診者に説明するインフォームド・コンセントの重要性が提唱されるようになりました。しかし、わが国ではインフォームド・コンセントが十分でないまま、前立腺がんスクリーニングが広まろうとしているのが現状です。
以上のような情勢を踏まえ、わが国の状況にあった前立腺がん検診の方向性を模索するべく、第18回前立腺シンポジウムにおいては、「個人情報と疫学研究」を主題として開催したところです。